こどもの足と靴 ~健康な足で100歳になっても自分の足で歩きましょう~
代表取締役
麻生 満美子 様
足と靴のお話し。
まず、日本の靴文化についてお話しします。
日本では靴文化の歴史が浅く、70年ぐらい前までは草履や下駄で生活をしていました。戦後のベビーブーム(団塊の世代)の経済状況から安価で大量生産に適した靴が求められました。そんな日本の靴文化が今でも継承されている傾向にあります。
靴の大切さを親が認識して、お子さんの足を健やかに守ってあげましょう。
赤ちゃんの足は軟骨で脂肪に覆われています。形も大人とは違い踵から扇状になっています。軟骨が徐々に骨化していき、7歳~8歳頃に全ての骨が揃います。身長の成長と共に、およそ女性は15歳、男性で18歳まで成長を続けその後、衰退していきます。この成長過程で、アーチが形成されます。このアーチが大切な役割を果たします。このアーチは運動によって形成されます。健康なアーチは良い姿勢で長時間立つことが出来たり、着地時のショックアブソーバーと大切な役割があります。
足の成長で一番良いのは素足で歩くことです。靴を履かない文化の国では、足の病気が少ないと言われています。ただ、素足で歩くには怪我の心配や、焼けたアスファルトでは火傷してしまいます。素足に近い靴を与えてあげましょう。
正しい靴の選び方
カウンター(踵部分)がしっかりと作られ足首と踵が固定できるストラップ、先芯があり、足の動きに合った屈曲しやすい靴です。足の湿気で伸縮する革製の靴が理想です。靴の素材も大切です。
正しい靴のサイズ選び
最近では足の成長を考えられた靴が各メーカーから販売されています。ただ、子供の足の成長は早く、大きい目のサイズを与えてしまいがち。
これが足の病気の原因になる可能性が高いのです。
個人差はありますが、2歳までは3ヵ月で0.5cm、2歳からは6ヵ月で0.5cm成長すると言われています。段々成長も緩やかになります。0.5cm単位で靴を与えてあげてください。靴を足先に合わせて踵部分に鉛筆が一本入る程度がジャストです。もし大きければインソールを用いて調整してあげてください。背伸びをして踵が脱げたら大き過ぎです。また、足囲がブカブカなのも大き過ぎです。こんなサイズの靴は運動に適さないので、健康的なアーチの形成に、悪い影響が出ると考えられています。
サイズが合っていない靴を履き続けると、運動しにくく健康的なアーチの形成にも影響がでるばかりか「外反母趾」「ハンマートゥー」「巻爪」「魚の目」の原因にもなります。
中敷きが外せるタイプの靴でしたら、中敷きに指の型が残っています。時々確認してあげてください。
正しい靴の履き方と、足のサイズの測り方
最初に書きましたが、日本の靴文化はまだまだ歴史が浅く、草履や下駄を履いていた習慣が残っています。例えば、幼稚園、小学校、中学校等では「下駄箱」があります。足の成長を考えられた靴を正しく履く事も大切なんです。
最近、私立幼稚園では上履きをなくすところも見受けられますが、まだ一部の幼稚園です。
限られたスペースで靴を正しく履くには、「下駄箱」では無理があり、親が理解して環境を整える事も必要なのかもしれませんね。足の成長に良い子供靴とは、カウンター(踵部分)がしっかりと作られていて、足首と踵を固定するストラップがあり、先芯があって足の動きに合わせて柔らかく屈曲する靴です。踵と足首を固定するためにも「つま先トントン」ではなく「踵トントン」で、靴を履く事です。ダブルストラップの場合は、まず踵と足首を固定してから甲の部分を固定します。正しく靴を履く習慣を身につけましょう。
足のサイズの測り方
足のサイズを測り、知ることが大切です。測る個所は3つ 「足長」 「足幅」 「足囲」。足囲(ワイズ)は現在、日本で一般的に流通している子供靴では2Eです。
実際もっと細いお子様もおられます。ちゃんと計測して足に合った靴を与えてあげてください。
足育のまとめ
いくら足に良いからと言って、ファッションやオシャレも大切ですから、主に履く靴とオシャレ靴を使い分けるのも良いですね。それと、案外見落としがちな靴があります。お子さんは3歳から幼稚園に通いだし、小学校、中学校へと進み上履きを使う学校も多く、親の目が届きにくいのが現状です。一日の大半を学校で過ごすお子様の、上履きにも気を配ってあげてください。
成長過程にあるお子さんの足は脂肪で覆われているため、大人と比べて痛みに鈍感です。
親が気にかけてあげてください。健康な足で100歳になっても自分の足で歩けるように♪
足と靴のお話しでした。