発達障害について
北山 淳 様
発達障害という言葉はメディアでも最近よく取り上げられ一般に知られるようになりました。発達障害といってもADHD、自閉症スペクトラム障害、学習障害などその種類・症状はさまざまです。
発達障害の子どもでかんしゃくや落ちつきがないなどの場合、「本人の努力不足」や「育て方が悪い」と思われ理解されにくいものです。子どもの個性・能力・希望など理解した上で、子どもの障害の種類や症状に合った方法で関わっていくことが大切です。
「仕事に集中できない」「会議の内容をすぐに忘れてしまう」「コミュニケーションが苦手」といった症状から、大人になってから初めて発達障害が発覚するケースが増えています。発達障害と気がつかないまま大人になると、何度注意されても直せないことで気を病んでしまい、「自分は何をやっても駄目なんだ」と、うつ病などの二次障害に発展する可能性も少なくありません。
発達障害は脳の障害であるため完治は困難ですが、早期からの教育・療育をすることで症状をある程度緩和させることができます。発達障害と正しくつきあっていくために、発達障害の兆候がみられる場合は一度診断を受けてみることをお勧めします。
また発達障害とは、一見しても分かりづらいことから「自分勝手」「わがまま」など、他人からはなかなか理解されない傾向があります。現在では発達障害は脳機能の障害によるものと言われており、しつけや教育が原因ではありません。今回の卓話では以下の主な発達障害について体験を通じて紹介します。
自閉症スペクトラム障害
他人との社会的関係の形成が困難、言葉の発達が遅れる、興味や関心の幅が狭く特定のものにこだわるといった特徴があります。一般的に先天性の疾患であると言われており、何らかの要因によって脳に障害が起こったものとされています。
注意欠陥/多動性障害(ADHD)
「集中できない」「気が散りやすい」「忘れっぽい」「落ち着きがない」「思いつきで行動してしまう」「待てない」といった症状がみられるもので、学業や社会活動に影響が出やすい障害です。知的な遅れは無く、感情や行動のコントロールを自身ですることが難しいという特徴がある障害です。
学習障害(LD)
知的発達の遅れはほとんど見られませんが、書く・聞く・話す・計算するといった特定の行動が困難な状態です。読む能力はあっても書くのが苦手、他の教科は問題ないのに数学だけは理解ができないなど、ある特定分野に偏りが見られる障害で、知的発達に大きな遅れはありません。