北大阪健康医療都市(健都)の まちづくりの概要と展望について(要旨)

卓話の世界

北大阪健康医療都市(健都)の
まちづくりの概要と展望について(要旨)

厚生労働省
吹田市役所 健康医療審議監
舟津 謙一 様

かつて操車場だった地域が、国立循環器病研究センター(国循)の移転を契機に健康・医療のモデル都市を目指すまでになった。
健都のコンセプトを大きく分けると、①健康・医療クラスター形成、オープンイノベーション推進、②健康への意識を変え、新しいライフスタイルを創造するという2つの観点があり、③これらの好循環により健康寿命の延伸、地域の活力創出を目指していくことを目指している。
①の観点では、健康・医療関連企業等の集積を図るため、「健都イノベーションパーク」、「アライアンス棟」、国循内の「オープンイノベーションセンター(OIC)」という多様なニーズに対応する進出拠点を整備している。国循と、今後移転を予定している国立健康・栄養研究所という2つの国立の研究機関が核となり、新たな予防医療・ヘルスケア分野のオープンイノベーションを推進していく。
②の観点では、「住まい×予防」の試みとして超高齢社会のモデル的な住宅にチャレンジする高齢者向けウェルネス住宅、「公園×図書館×健康」の試みとして市民に身近な公共施設における継続的な健康づくりを支援する健都レールサイド公園・健都ライブラリーなど、特に「予防」の観点に力点を置いた健都版の地域包括ケアシステムを推進していく。
③の観点では、近年、ユーザーである市民を巻き込んだ「オープンイノベーション2.0」という概念が提唱されており、健都はこれにチャレンジする。様々な主体が集積する健都のポテンシャルを最大限発揮するため、産・官・学・民が連携したまちぐるみの仕掛けについて検討を行っている。例えば、すでにIoTによる循環器予防(国循健康管理システム)などが実践されており、こうした新たなサービスを創出するプラットフォームを形成していく。
吹田市が推進する「健康・医療のまちづくり」は健都のエリアに止まるものではない。健都のマグネット効果の一つとして、パナソニックを中心に13のパートナー企業がSuita Sustainable Smart Town(SuitaSST)の開発を行っている。超高齢社会における課題解決型のまちづくりを提案しており、健都と連携した先駆的な取組も実施する予定。加えて、現在、吹田市では全市的な健康・医療のまちづくりを更に加速させるため、健康寿命の延伸に向けたビジョンの策定作業中。健都を契機に健康寿命の延伸をリードするまちづくりを進めていく。

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