児童虐待とDVの現状 暴力の実態について

卓話の世界

児童虐待とDVの現状 暴力の実態について

吹田市役所市民部男女共同参画室 参事
柴野 勝俊 様

DV(ドメスティックバイオレンス)と児童虐待、千葉県野田市の事件をはじめ、昨今、報道等で悲惨な事件が日常的に伝えられています。
吹田市では平成23年4月に、配偶者暴力相談支援センターの機能を持つ「すいたストップDVステーション(DV相談室)」を開設し、総合的なDV防止対策を進めています。
吹田市におけるDV相談の件数はDV相談室開設以降、年々増加の傾向にあり、開設当初203件であった相談件数が昨年度は537件と大幅に増加しており、全国的にもDV相談の件数は増加の傾向にあり、昨年度は114,481件となっています。
児童虐待においても昨年度、吹田市では1,212件の相談があり、はじめて千件を超え、全国的にも児童虐待の相談件数は過去最多を更新し、昨年度は、159,850件となっています。
千葉県野田市の事件では加害者である母親もまた夫からDVを受けており、子供の目の前で配偶者に暴力を振るうこと(面前DV)が、児童虐待における心理的虐待にあたる等、吹田市ではDVと児童虐待が密接に関連していることを認識し、DV防止対策と児童虐待防止対策を一体として進めていくため、女性に対するあらゆる暴力の根絶のシンボルであるパープルリボンと児童虐待防止のシンボルであるオレンジリボンを組み合わせて、「W(ダブル)リボンマーク」を考案しました。
このマークを旗印に、「Wリボンプロジェクト」として、DVや児童虐待に係る連続講座の開催や「Wリボンマーク」をデザインした「Wリボンバッジ」の販売など、様々な啓発活動を通じ、「あなたはひとりではない STOP Violence」というメッセージを伝えています。
今年度は内閣府が「Wリボンプロジェクト」の趣旨に賛同し、首相をはじめ、閣僚・関係国会議員・在外公館大使・各都道府県知事が「Wリボンバッジ」を着用し、「Wリボンマーク」を啓発に使用するなど全国的に「Wリボンプロジェクト」を周知することができました。
今後も「Wリボンプロジェクト」を推進し、家庭や学校、地域など社会全体に暴力防止への深い理解と関心を広め、地域や企業などと連携し、DVや児童虐待など、「暴力のない安心安全のまち、すいた」の実現を目指します。

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