卓話 2022年1月20日
国際看護師研修を通じて経験したこと
・国内研修について
私は長崎県上五島病院で半年間、内科病棟で活動していました。私が活動して驚いたことは「家族」と「地域密着」でした。お見舞いに来る家族が多いことでした。また、地域密着ということについては、救急搬送されてきても、自宅で亡くなりたいという思いを大切にして、帰宅させてあげることです。大阪では入院することが当たり前だと思っていましたが、上五島病院では家族や本人の意思をとても大切にされていました。どのように亡くなりたいか、という最期まで本人や家族と相談して決定できる、それらに寄り添う医療者に驚きました。
・国外研修について
私はカンボジアのジャパンハートこども医療センターにて半年間活動していました。そこで右足にやけどを負った少年に出会いました。彼の治療について実施していたケアでは良くならないため、違う方法を提案しましたが、受け入れられませんでした。現地スタッフとの信頼関係がまだ築けていなかったためです。そんな中、現地スタッフの1人が「1週間やってみてだめなら変更しよう」と提案してくれました。そのスタッフのおかげで彼の傷は良くなり、植皮術を受け、良くなっていきました。その後私は、私を変えるきっかけに出会う、「一人っ子」という1人で2週間現地の病院に滞在するプログラムに参加しました。
2週間も日本人がいない、知り合いの現地スタッフもいない、という環境はかなり心細いものでした。そんな中、プログラムに参加する前に、駐在スタッフから「4ヶ月経つけれど、成長していない」と言われたことが何度も頭をよぎっていました。成長していると思われたい、人から評価されたいと思っている自分に気づきました。
それから自問自答を繰り返し、「愛されたい」と思っている自分に気づきました。では、自分は周りの人を「愛しているか」と疑問を持ち始め、もっと表現していかなければならないと思うようになりました。家族や日本の友人、現地スタッフから応援されているということを自覚し、それらに気づくことで自分を認めることができるようになりました。この国際看護師研修を通じて、私が経験し、学び、出会った人々は、人生において大変貴重なことです。